前濱YOSHIRO　Guitar story★

哲学は　創造に追いつけない
ひとつの音は　
他の音とのちがいによって　輝く
音は自由であり
音楽は　音の関係の自律的な調整でありうるが
音楽家は
資本と国家が暴力で維持しているこの世界のなかで
自由ではない毎日を生きる

それでも　音の場で
一時的な協力関係にはいって
音の出会いに触発された発見の時間には
権力のはいりこめない　親密な対話と
呼吸できる空間が残されている

音楽は　すでにある音楽からできていなければ
身体に受け入れられることはない
そして　そこに　いままでなかった音が含まれていなければ
身体をうごかすことはできない
人間は　いつも未知のものに惹かれるから
文化や歴史を創ってきた
そしてそれらは完結することはない
文化も歴史も　したがって音楽も不満の表現だ
決して満たされることはない

音楽はやはり文化を越えない
音楽とは世間にとどまり
人びとの場のなかでだけ意味をもつもの
だが一方で音楽自体が
消えてゆく一つの音に気づくための装置
とも言える

音楽は無限
我を　忘れるほど
六弦楽器　我の感性を　解き放つ




ょちろ